Act...5


「手紙に・・・ヒント?」

「うん。
あ、これはペイに言ってなかったよね。
キャンディの事を見たって手紙が来たって言ったよね?
そこに地図が印刷されていたんだ。」

「地図が印刷?」

「うん。
それで、此処に重要らしいマークが記帳されていたのを理解して、
僕は舟でこの地に辿り着いたんだ。」

「成程・・。」

「僕の故郷は随分と離れていたし、お金もあまりなかったから、
無事に到着出来るか不安だったんだけどね。
それに戦争の跡地だって事もあったから。」

「・・・この差出人は随分と親切・・・ね。
それに、メイジャ、貴方が妹を捜してる事を何故知ってるの?」

「あ、それはね、僕が各国に情報を広げたからだよ。」

「・・・・情報を広げた?」

「ペイは"通信衛星"を知ってる?」

「ええ。
・・・まさか、メイジャあれを使って・・・・妹の存在を・・・?」



「そう。
でも僕が知識を持ってたわけではなくて、
お世話して貰っていた人が詳しかったんだ。 」

「へぇ・・。」

「だから僕はそのサポート役になってたんだよ。
今では機械が分明の中に、
当たり前に取り入れられてくる様になったからね。
僕みたいな子供でも、新規の重圧通信支部機能を
充分に使いこなす事が出来たんだ。」

「だけど、メイジャ、貴方小さいのに大したものね。」

「そんなことないよ。
・・・でもきっと、この手紙をくれた人は、その衛生を管理し、
受信してくれた人だと思うんだ。」

「それを次世代コンピューターにデータを置き換え、
処理すれば、なんなく情報を展開する事が可能になるわね。」

「ペイも詳しいね。」

「自身が機械である以上、それらの一連動作は私も可能なだけ。」

「え!!?そうなの!?」

「・・・・まあ、人間側から考えれば、
そんな常識外れな事をあっさり受諾してしまうのは、
実に不可思議な事でしょうけど。」

「やっぱり凄いね・・・。僕らとは違うんだ・・・。」



「・・・・・違う・・か。・・・・そうね。」



少し目を背けたペイに、メイジャは気付いた。

「ペイ!!御免!!違うんだ!!
僕は差別したわけじゃないんだよ!!
ただ純粋にその能力が羨ましくって・・・。」

必死にフォローをしようとするメイジャ。

「・・・・いいのよ。解ってる。
アンタはそんなに器用な性格じゃなさそう。」

「ペイ・・・・御免なさい。
・・・・でもいつかきっと相間見える日が来るって僕は信じてるよ。」

「そうね・・・。
・・・だと良いけど。」

真っ直ぐなメイジャの瞳は、
そのままペイの感情を捕らえるかの様に諫められていた。




「ところで。
散策するにも、もう今日は日が暮れてるわ。
取りあえず・・・・休むわよ。
体が疲労したままでは何をやっても、空回りにしかならない。」

「で、でも・・・・。」

「私の家に来ればいい。」

「ペイの家?」

「正式には我が家ではないけれど、
戦争後に空き屋を利用して自分の生活の場にしている。
この機械の体には電気を補充させてあるから、
それ相応に生きていくことは出来るでしょうね。」

「・・・・・でも僕なんかが行ったら迷惑じゃ・・・。」

「今更、こんな治安の乱れた環境の中で遠慮なんて必要ないわよ。
第一、少ない金額で此処まで来たって事は、
さしあたって特に行く所もないんでしょう?」

「・・・う、うん。」

「なら、来ればいい。」

「あ、有り難う!
何か・・・色々迷惑掛けちゃって本当に御免ね・・・?
本来なら、キャンディを捜しに来た以上、僕自身が自分で
こういった事を確実に実行しなくてはいけないのに・・・」

「変な事に気、使うのね、あんた。
長いものには捲かれろって言葉知らないの?」

「・・・・そうだけど・・・。」

「私は、私の意志でアンタに手伝ってやると言ったの。
別に迷惑だなんて今更感じないわよ。」





「・・・・ペイ。・・ペイはいい人だね。」



「いい人?」

「うん。」

「初めて・・・言われたわねそんな事。
・・・正直、人間時代の頃もあまり人に好意的な態度は取らなかったし、
ましてや機械人間になって からは、
余計に現実を直視する事しか考えなくなったから。
・・・・止めましょう。愚痴ね。」

「・・・・ペイは僕の不安に染まりきった心を、何だか軽くしてくれるよね。
もし、それが無意識にやってくれてるなら、
尚更僕は、ペイに感謝しなくちゃいけないよ。」

「感謝を受ける程、私は偉くもないし、尊大でもないわ。
自分のやるべき事をやっているだけよ。」

「・・・・ペイ・・・・・・・。
それでも・・・それでもやっぱり嬉しいよ。
見ず知らずの僕なんかにこうしてここまでしてくれるんだもの。
・・・本当に迷惑掛けて御免なさい。」

またもや、前の様に深々と頭を下げるメイジャ。

「メイジャは謝罪するばかりね。」

「え?」

「私自身が、悪く思っていないのだから、
アンタが謝る必要はないでしょう。
・・・ほら、そんな事より、何か食べる?」

「あ・・・。」

メイジャの腹の虫が上手い具合に静かな場に響く。

「本当に単純明快ね、アンタは。
・・・さ、行くわよ。すぐ近場にあるから。」

「・・・・・うん!!」



どことなく引力のある笑顔・・・。

自分が深く果てない陰の存在である以上、
何故かこのメイジャには、
限りなく膨大な陽として私を相殺して欲しいとさえ、
ペイは一瞬思ってしまった。


自分らしくない。


だが、それでも何かが・・・・生まれている気さえした。

宛もなく司る何かが・・・。



退